教職員組合運動の未来が明るくポップであるために(後編) Array

Array

教職員組合運動の未来が明るくポップであるために(後編)

教育という営みをひとことで説明するとします。あなたはどんなふうに言いますか?

きっと、「」とか「」とか言う方もいるかもしれませんし、「将来」や「未来」ということばを使う方もいるかもしれません。

これが教育条理というものです。

関連記事
image
地域で一番、教育条理を語れる存在でありたい いまの時代は、難しい教育用語で語るだけではなく、できるだけかんたんな言葉で語ることが求められています。「求められている」というか、そうしないと万人には通じないのです。 多くの人に「いいね」と支持してもらえないものは、まるでないものかのようになってしまいます。

では、教職員組合という営みをひとことで説明するとどうでしょう。

「要求実現!」とか「待遇の見直し!」とか、私たちの願いを挙げる方がいるでしょう。もちろん、前述したような教育条理を語る方もいるでしょう。

「待遇の改善!」というようなものには、賃金に関係することが出てくることがあるでしょうが、私たち学校の先生はお金に関することはあまりなじみがありません。

しかし、教職員組合をひっぱる側である以上、考えなければならないのは「教職員組合を『経営する』」ということです。

教職員組合を「経営する」観点をもつ

当たり前のことですが、教職員組合を運営している財源は、私たちの組合費です。

この限られた組合費を「どう使うのか」というのが、ここでいう意味の「経営」のひとつです。

関連記事
image
教職員組合の「オウンドメディア」 ないとうは「教職員組合はSNSを活用すべき」と事あるごとに言っていますが、場合によっては議論がまっぷたつになるときがあります。決して「SNSにしちゃえばいいじゃない」とは言っていないのにも関わらず。でも、そんなふうに聞こえてしまうのでしょう。その要因に「オウンドメディア」という考え方がありそうです。

昨日の「前編」や、これまでの記事でも書いてきたように、「イマドキの発信」をしようとすると、「見えないお金」がかかります。

SNSの機能をアップデートするために、課金する

サブスク(月額課金)を登録して、アプリを使いやすくして業務改善をする

これまで輪転機で印刷していたものを、ネットの印刷屋さんに注文してみよう

こういうちょっとしたことをしてみようと思ってみても、教職員組合の「従来の予算の枠組み」の中では、「この費目で支出できます」と読み解くテクニックが必要です。もちろん、その前には、組合をひっぱる側の中枢にする立場の方々が、「イマドキの発信」のようなものに対する必要性や理解はどれほどあるのかという問題になってきます。

一般的に教職員組合の予算は前年踏襲。いままでの常識の範疇の外にある「見えないもの」への支出に対応できる理解と展望を広げることが「教職員組合のアップデート」として必要なことです。

みんなの資源を結集するためつながりをつくる

もうひとつの「経営」は、資源の結集。かんたんに言えば、人々がもつ知恵やテクニックを教職員組合のためにどんなふうに力合わせさせるのかということです。

歴史的に教職員組合運動は、各級段階による運営がされてきたので、ボトムアップで「こういう【資源】を持っている人がいるから、今度の取り組みでいっしょにできたらいいね」と、キャンペーンをつくる的に組織化することは少ないのかもしれません。

関連記事
image
段階を追って筋を通す。コツコツと… 組合の中の「各級段階」 初めてこの言葉を聞いたのは、支部執行部をしていたときなのでしょう。 教職員組合でいえば、「加入している先生本人→分会→支部→本部」というそれぞれの「段階」。情報が通過する「段階」でもありますよね。
「資源」についてはひとつ前の記事で
image
教職員組合運動の未来が明るくポップであるために(前編) ちょっとチラシを作りたいなぁ・・・というときに、みなさんだったらどうしますか? たぶん、「自分で作る」という方が多……

各級段階にとらわれない、新しい運動のカタチ

今年、道教組では春から夏にかけて行った「学校のリアル見える化プロジェクト」や、1月15日に行う「定時アクション」に向けて、独自に取り組みを次々に興しました。これは、全教の会議で手を挙げて聞いてみた「ある言葉」がきっかけになっています。

(6月末まで募集された中教審答申へのパブコメの取り組みは)、教職員組合運動の「分野」でいえば、どんなイメージでいますか?

今回の運動は、分野のくくりに収まらない多岐に渡るものです。だから、分野にこだわらずにやっていただければ・・・

この回答、つかみどころがなく丸投げされている感じがしなくもありません。でも、この言葉を創造的に解釈すれば、「みんなのチームで組織的にやってね」ということになるでしょう。

実際、道教組はプロジェクトチームを結成。教文分野と生権分野の担当者を中心に取り組みを進めてきました。

これからの教職員組合運動の、各級段階にとらわれないカタチとして注目されるものになるでしょう。

ボトムアップのキャンペーンへの理解は広まるか!?

しかし問題なのは、経営の観点からこうした動きを歓迎するのか、静観するのか。これまでの営みとは別のものとして考えるのかということです。

コミュニティ・オーガナイジングの手法を取ると、ボトムアップで、チームによる、キャンペーンの取り組みがメインとなります。

教職員組合の中枢でひっぱる立場の人たちには、これまでの教職員組合運動の「年間のルーティーン」との両立が求められます。

当然のことですが、どちらもやると教職員組合が先生方を多忙にしてしまいます。

関連記事
image
たたかいは未来を切り拓く 教職員組合運動には「大事だ」というべきものがたくさんあります。 タイミングによっては「ここはやっとかなきゃ」という独自の課題が生まれることも。ただ、全部全力でやると各学校が忙しくなってしまうのです。そして、運動を降らせてしまうことになるのです。

こうしたバランス感覚を大切にすることが、教職員組合運動の「経営」だと思うのです。

まるでハムスターのカラカラのように

この連載で主にまとめてきたのは次の3つです。

歴史的な教訓を「親愛なる『じーちゃん方』」のエピソードをもとに

「映え」の時代の発信の技のこと

経営の観点からこれからの教職員組合運動のこと

この連載をしながら、最近の道教組運動をふりかえってみました。SNS委員会ができて集中的にSNSでの発信を続けてきたわけですが、そうすると、新たなつながりが生まれたり、運動の共同が生まれるわけです。

「教職員組合をSNSの世界で光り輝くものにする」ということを意識するとき、時代の移り変わりが早いSNSの世界では断続的に発信を続けることになります。教職員組合にはもまるでカラカラの中で走り続けるハムスターのような断続的な発信力が必要になってくるのです。 

これからに期待を込めて~知恵と勇気でワクワクを創ろう

生成AIがメジャーになって、これから数年後の未来の日常を想像することはとても難しくなっています。

この連載では特に、10年前、5年前からいままでの教職員組合について改めて考えてきました。では、これから5年、10年経った教職員組合の姿はどうなっているのでしょう。

おそらく、ここにまとめてきたような感覚をもって教職員組合を経営できる組織が元気に生き残っていくのではないでしょうか。もちろん教職員組合は、集う先生方の総意によって運動を組織するのは言うまでもありません。しかし、その鍵を握るのは専従という存在です。

関連記事
image
専従は、教職員組合の知的財産なのだから… 一般的に、専従の給料は教職員組合の組合費から捻出されます。教職員組合の一般会計における傭人費はかなりの割合を占めることになります。ここで、経営の感覚です。そんな「どっしりと教職員組合のことを考えることができる」存在である専従のみなさんが「何をがんばるのか」ということです。

この1年、2024年のいまの段階で出来得る限りの方法で教職員組合の発信に挑戦してきました。あとやっていないとすると、「組合系YouTuberとしてのライブ配信」と「本格的な『生成AI』の活用」くらいです。

知恵と勇気で教職員組合はワクワクするものになるということを実証してきた1年です。

歴史的な教職員組合運動の教訓を、イマドキのやり方で未来につなげていくために、できる工夫を積極的にやっていける教職員組合でありたいと願っています。 

TOP