専従は、教職員組合の知的財産なのだから…

みなさんにとって、教職員組合の「専従」をされている方ってどんな存在なんでしょう。

「みんなのために組合の仕事をしてくれているって本当にありがたい」
私自身が専従をしていたときにもよくこんな言葉をいただいていました。自分がいざ専従をしてみて思うのは、教職員組合にとって専従は「知的財産」だということです。
専ら従事するということは
2012年、学校を離れて教育会館で働くようになった春。
さいしょにしたのは、教育会館の環境整備でした。玄関の風除室の前にある「玄関灯」の蛍光灯がずっときれていたので、交換したのを覚えています。
せっかく忙しい中、教育会館に来てくれた先生方が、「会館、暗ッ!」と思ったらそれは失礼だから
というふうに思ったのを覚えています。
「教職員組合で働く」ということは、そうした思いが教職員組合の個性として表れるということだと思うのです。
働くという意識が問われる働き方のなかで
学校で働いていて教職員組合のことをしようとすると、勤務時間との兼ね合いを気にします。

「早く休憩時間にならないかなぁ。連絡取りたいんだけど」
というように、勤務時間7時間45分を意識して、教職員組合運動をすることになります。
一方で、専従になるとそんなふうに意識をする必要はありません。自分の生活すべてが教職員組合になるのです。
一方で、働き方改革を考えると、教職員組合の専従って大変です。
一般社会と同じように9時から仕事を始めると、17時には一応「8時間働いた」ことにはなります。しかし、学校で働く先生方にとってはそこからが「教職員組合の本番」な時間なわけで、どうしても長時間労働になります。
スクールバスの運転手さんのように、日中の時間を働かないという方法もあるのでしょうが、教職員組合の仕事は多岐にわたります。そんな訳にもいきません。
また、教職員組合の主催事業ともいうべき各種会議は週末に行われることが多く、平日に振休を取らないと永遠に働くことになってしまいます。
こう考えると、とてもシビアな仕事だと思います。冗談ではなく「高度プロフェショナル制度」が適用されてもおかしなくない業種なのではないかと思ってしまうほどです。
経営の観点から考える「専従」とは
一般的に、専従の給料は教職員組合の組合費から捻出されます。教職員組合の一般会計における傭人費はかなりの割合を占めることになります。
教職員組合の経営する観点から「専従がいること」をどう価値付けるのかということを意識せざるを得なくなります。
「専従がいる」ということは、莫大な組合費を捻出してどんな教職員組合運動を創るのかということになるわけです。
「学校の先生」という仕事は、業務上でお金を扱うことはあまりありません。だからこうした経営感覚を問われることって少ないと思うのです。
だからこそ、意識して考えなきゃいけない「専従」がいることの意義です。
現場にいない…ということは?
専従をしているとわからなくなることがあります。
その一番は「現場感覚」です。どんなに意識をしていても仕方がないこと…なのでしょう。だって毎日現場にいないのですから。
では「それはよくないのか」というと、それは違うのだと思います。
「現場にいないからどっしりと教職員組合のことを考えることができる」という捉え方もできるでしょう。
ここで、経営の感覚です。そんな「どっしりと教職員組合のことを考えることができる」存在である専従のみなさんが「何をがんばるのか」ということです。
例えば私がいまの時代に専従をしていたとしたら、と考えることがあります。
たぶん、ずっとSNSをしているのではないかと思ったりします。もちろん業務もしますけど。
現場感覚が薄らいでしまうとしたら、それは現場にいる仲間である先生方に補完してもらうとして、専従としてどこに力点を置き、何に磨きをかけるのかと考えることもあっていいし、なくてはならないことだと思います。
その感覚は、専従をしている先生自身が見つけることもあるでしょうし、教職員組合運動の方針に基づいて客観的に磨かれることもあるでしょう。
そういう意味で、専従は教職員組合の「知的財産」です
歴史的に専従は「引き受けてくれる」ことが意義あることと捉えられがちです。
それは当然のことです。誰も「専従になろう」と思って学校の先生になっている人はいないでしょうから。
そんな中で巡り合わせによって、教職員組合と出逢い、様々な運動を通して学んだり体験したことがきっかけとなり「専従」という、極めて特殊な働き方に出会うのです。
それは同時に、組織としての教職員組合にとっては、「これから数年の命運をあなたに託す」ということなのです。そういう意味では、専従をしている「わたし」は、「動く教職員組合の知的財産」なのです。
もちろん、教職員組合の経営はみんなで考えていくべき課題です。「教職員組合の近代的アップデート」は、ないとうが今年実践しているように、現場にいてもできるんです。ただ、やっぱり専従にはかないません。
だからこそ、専従は教職員組合の知的財産で、そのことを意識して教職員組合を経営する視点をもつことが大事なのだと考えています。
